5/24付「障害者共生のきっかけに」

 こんにちは。中日新聞豊橋西部専売店 鳥居新聞店です。

 昨日の23日といい本日24日といい、まるで夏のような暑さに見舞われていますが、皆さん衣替えは済んでいますか?

 朝晩や雨天の肌寒さに、私は衣替えのタイミングを逸したままずるずると過ごし、やっと先週半袖を引っ張り出した所でした。いやはや、まさか突然気温が30度近くになるとは驚きました。名古屋では32.7度、岐阜では33度を超えたとの事で、急激な気温変化に対応できず、昨日は全国多数の熱中症患者が搬送されたそうです。屋外屋内問わず、水分を十分とって熱中症予防の対策をしましょう。

 さて、本日ご紹介の記事は 5/23付け『総合』の2面に掲載の「障害者共生のきっかけに」です。

 衆院の厚生労働委員会に招かれながら、障害を理由に出席を拒まれたALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の岡部さんが、今回参院の厚生労働委員の参考人質疑に出席しました。その様子はテレビでも放送されたので、動画として目にする機会を持てた方々もお見えだと思います。

 衆院では質疑応答に支障があるとして出席を拒まれたようですが、皆さんは今回行われた参院での厚生労働委員会での質疑についてどう感じられたでしょうか。

 「ALS:筋萎縮性側索硬化症」とは 、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、難病指定されています。運動系(神経)が変性し、筋肉を動かすことが出来なくなる症状が進行すれば、全身の筋肉がやせ衰えて嚥下困難・呼吸困難など、生命の維持活動に大きく支障がでるようになります。

 こうした難病を患いながら、岡部氏は訪問介護事業を興し、自らの身の回りのサポートスタッフは自社雇用しておられます。ニュース映像では、特殊な『通訳』である二人の女性補助役を解し、驚くほどスムーズに質疑応答を行っていました。これは、事前に提出された質問文以外に、あえて委員会側から出された質問でも同じで、総合して予定時間をたった数分間オーバーするに留まりました。

 今回の参院での質疑をみて、衆院の厚生労働委員会はどう思ったのでしょうか。自分達から招いておいて、やるまえからやはりダメだと質疑を断るような無礼があっていいものでしょうか。始めに衆院でのこの事実を知った時、私個人としてはなんて非礼だろうかと腹が立ちました。それでも、岡部氏は参院での質疑応答に冷静で穏やかに対応し、その聡明さを見せ付けました。

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 新聞記事にも使われている写真の一場面。ニュース映像で見た私はじっと画面を見入ってしまいました。会場には多くの人がいたにもかかわらず、岡部氏の質疑応答の間のその静けさは、胸を打つような場面でした。誰もが岡部氏の口元とその表情に注目し、静かに繰り返される通訳の小さなささやきが会場に聞えるほど、誰もが静粛にその重い言葉を待っていました。

 最後に『(自らの参考人招致)が障害がある人もそうでない人も、ともに暮らせる一つのきっかけになれば』と話した岡部氏の言葉が、衆院の厚生労働委員会メンバーにどう聞え、どう感じたのか聞いてみたい所です。

 また、個人的に気になったのは、今回岡部氏の通訳を行ったヘルパーのお二人は、岡部氏の会社で雇用されている方のようですが、この通訳は大変な特殊技能のように思われました。どういった手法なのか。どうしたらこういった技能が身に付くのかなど、折角岡部氏が身をもって見せてくれた『コミュニケーション方』についても知りたいと思いました。(※ALS患者数は8000人以上)

 今日の紙面では、自治体別人口増減についての記事も掲載されています(総合3面)。人口の減少と高齢化は避けて通れない現実で、高齢化が進めば介護や医療費の増加が大きく国費を圧迫します。日本に住む私達が、出来るだけ多く平等に幸せに生きる為に必要な問題は山積し、後回しに出来ない緊急課題となっています。ALSの発症年齢も50代~70代。ここ30年で5倍の増加が確認されています。今、自分が若くて健康だからと安心していられません。

 以前からある沖縄の基地問題も、米軍軍属の犯罪から改めて熱を孕み、明日から始まる伊勢志摩サミット、オバマ氏の広島訪問でその発言が注目され、日米の今後についても、様々な問題が大きく取り上げられています。

 日本は小さな国ですから、人口が減少すれば自国の問題を国内で処理できなくなってしまうかもしれません。私も不勉強ですが、危機感が増したように感じます。

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『5/24付 総合2面』より

 伊勢志摩サミットはG7ですから、議題もこんな感じなんでしょうが。日本国民としては、やはりオバマ氏の広島訪問と沖縄の事件についての、真摯な対応に期待したいと思います。